
こにくのコラムを読んでくださって、ありがたいことにメッセージまでくださる方のなかには、
少なからず恋愛で苦しんでいる方がいらっしゃいます。
彼との関係がうまくいかない、苦しい、どうしたらいいのかわからない。
また、好きな相手に振り向いてもらえない、無理っぽい、都合の良い女になっちゃってるかも、と、悶々としてる、など。
こにくも、かつてこじらせていた頃は、そんな状況でした。
ていうか、そんな状況以外ありませんでした。
しかし、数年を経て、いま上記のように男との関係で苦しむことはありません。
それはすなわち「自分に恋愛は必要ない」ということがわかり、
恋愛においての「欲」がなくなったからです。
恋愛においての「欲」とは、基本的に「コントロール欲求」です。
「彼が自分の思う通りに自分を扱ってほしい、好きになってほしい」という、コントロール欲求です。
こにくはこれってとてもとても浅ましいなぁと思ったし、
そのコントロールによって相手を動かして「好きにさせた」ところで何が満たされるんやろうと思ったときに「恋愛って基本エゴやな」と思ったのでした。
恋愛において「思いが届かなくて苦しい」とか「傷つけずには愛せない(byミスチル)」とか、
ほんまにそれが「愛」なら、苦しむこととかありえへんし。
愛は人を強く、自由に、優しく、勇気づけるもののはず。
しかし苦しむのは「コントロール欲求」があるからなのです。
「彼とラブラブな状況になりたい」「彼が自分をこんなふうに思ってほしい」という欲望が満たされないのを、甘酸っぱく言い換えているだけです。
恋愛における苦しみなんていうのは。
なのでこにくは
「恋愛」=「依存と執着をミルクと砂糖でくるんでみました、みたいなやつ」と思っています。
恋愛におけるコントロール欲求=主たる成分は依存と執着です。
なので、この依存と執着を手放していけば、恋愛や人間関係における苦しみの9割はなくなります。
そして逆に、さらに良い関係になれたりします。
「愛させよう」なんてしなくても、ちゃんと好きになってくれる。
なので、恋愛においてだけでなく、どんどん「欲」とかは削減していっているのですが、
しかし、こにく、最近この「欲」というものを「すげーな」とも思っておるのです。
何がすごいかって、「欲」は、人を焚きつけるガソリンです。
欲がなくなっていっているこにくは、つまり「ガス欠」とも言い換えられます。
もちろんね、修行僧じゃあるまいし、全くの無欲になったわけではないですよ。
酒はやめられないし性欲は強いしジャンクフードも大好きだし煙草も吸うし自分の趣味にはじゃんじゃんお金使ってしまいます。
しかし、「ステータス」「恋愛」「恋人」「結婚」「名声」「交友関係」
そして色んな意味の「コントロール欲求」
これらのものには、欲がなくなっていっております。
なので、焚き付けられるものがないから、ダッシュすることもない。
ヒリヒリするようなスリルもないかわりに、達成した時の爽快感も、突き動かされる衝動もない。
いま手元にある素材で、工夫しながらできる最大限のことを、マイペースでする、というのが、いまのこにくです。
恋愛に苦しむ女性たちからメッセージをもらうたび、
今の自分のリアルタイムの感覚からはちょっと遠いから、傷ついたハートにジャストフィットなコメントを送ることはできていないかも、と心苦しい反面、
そこまで泣いたり苦しんだりするほど誰かに執着して、相手を振り向かせるためにがむしゃらになれたりする方たちを、羨ましくも思ったりするのです。
「強欲」はいやだけど、何かを目指す「欲望」。
手に入らないからこその甘美でスパイシーな痛み。
ある意味かっこええかもね。
こにくの場合は、逆に恐怖や不安によって突き動かされるタイプやから、欲がないように感じるのかもしれません。
お金の不安、孤独になることへの不安、寂しさに襲われることへの恐怖、暇であることによる世界から切り離されたような恐怖。
これも、自分を突き動かすという意味では「ガソリン」ですね。
とはいえこのアッパーな「欲」、ダウナーな「不安」、どちらも、全くゼロにすることは難しいけど、かといって持ちすぎると毒になるスパイスです。
どっちも、うまく飼いならさんとあかんよね。
もし、人生のいろんな場面で行き詰まりを感じている方がいはったら、
自分のガソリンは「アッパー」か「ダウナー」かを考えてみると、突破口が見えるかも。
飼いならすべきエゴが自分のなかで暴れているから苦しいっていう点では、どちらも同じ「エゴ」なはず。
どっちもうまいこと手綱を締めとかな、自分の人生をのっとられてしまうもんね。
というわけで「ガソリン」にかけて、
最近こにくが大っ好きなSiaのスパイシーな方のガソリンの曲を最後にご紹介して。
では、また!